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残暑お見舞い申し上げます

  • 執筆者の写真: S.yu
    S.yu
  • 8月23日
  • 読了時間: 6分
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たまや~、そんな声が聞こえてきそうですね。


ちょうど良いタイミングでいい感じの写真を見つけたので、今回はブログの初めに夏の代名詞ともいえる「花火」の画像をのせてみました。


夏もはや折り返し地点、後半突入です。

まだまだ暑い日が続いていますがみなさまいかがお過ごしでしょうか。


私といえば、お盆はちょうど夏季休暇で、今回は10日ほどのお休みをいただきました。

やった!学校を卒業して以来の、最多の休日‥‥!(イェイ♪)


どこにいこうか、旅行の計画をたてたりしました。

色々とたてたりしたのですが、結局四六時中家で絵を描いているという、いつもとなんら変わらない日々が過ぎ―――。

この夏は特に何もインプットできず。


残念。


ということで、今回は私の昔話をしてみたいと思います。

せっかくなのでテーマは「怪談」にします。

夏なのでね((笑))

ですが私は霊感などまったくありませんのでかなりマイルドな怪談になります。


あしからず。


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私の生まれは地方のかなり田舎です。

そして自然の方が人に勝っている、と言っても過言ではないほど自然に侵食されつつある、かなり小さな村です。

そうです。どこで誰が何をしているのかすぐにバレて足がついてしまう、田舎あるあるが存在する村。(ちなみに今はいくつかの村同士が合併して町になりました)

と言っても、ここで過ごしていたのは幼少のほんのわずかな間で、すぐに父の仕事の都合で引っ越しをしたので、私には田舎に住んでいた時の記憶はほとんどありません。どちらかというと夏と冬におばあちゃんちに帰郷して一緒に過ごす、その記憶の方が強めです。


あれはおそらく小学5年生頃だったと思います。

その年の夏も、お盆に家族全員で田舎へ帰郷しました。


私の父は兄弟が5人いて、またその叔父叔母にも多くの子供がいたので私にはたくさん従妹がいました。しかも年の近い子ばかりで人数も多かったので、遊び相手には事欠きません。


その日も仲の良い従妹女の子三人で遊んでいる時の事でした。

Sちゃんがこんな事を言い始めました。


「実はさ、この間M叔父さんが裏山の納屋の近くで白いひとだまを見たらしいよ」


私「えっ、ひとだま?」


「そう、ひとだま


ひとだま、それは人の魂が宿るとされる一種の心霊現象。


「嘘だあ、いつも叔父さん怖いもの見たとか変なことばっかり言ってるじゃん」


大きな声で笑い飛ばすYちゃん

Yちゃんは私よりひとつ上の従妹で、父の弟の子供にあたる従妹。家も近かったので普段から地元でもよく一緒に遊んでいました。そしてとても怖がりで、特に幽霊なんかの話は大の苦手です。

それを知ってか知らずか、Sちゃんは私達にこう言いました。


「ねえ、今からそこに3人で行ってみない?」


Sちゃんは父の姉の子供にあたる従妹で普段から好奇心旺盛で勝気なタイプ。一見、どうする?みたいな聞き方ですが、彼女はもうすでに現場に突る気満々です。


「やだ」


当然、怖がりなYちゃんですから彼女の答えはNO。


「優ちゃんは?」


今度は私に答えを求めてきました。そこで私は考えます。


いや、そもそもの話。

叔父さんがひとだまを見たというその現場は、普段から親や祖母に子供はあまり近づいてはならないと言われている場所。夏場は大きなキイロスズメバチがぶんぶん飛んでいます。イノシシが出るとも聞いていました。しかもすぐ近くに家のお墓があるので、普段からその近くで遊んでいると大人達にすごくしかられていました。


痛い思いもしたくないし、怒られたくもありません。(怖い話はそっちのけ)笑


私がそのことを伝えると、Sちゃんは自分ひとりで行くと言いだしました。私とYちゃんは慌てて引きとめました。ですがSちゃんは一度言い出すと人の話を聞かない性格です。結局Sちゃん一人で行かせるわけにもいかず、私達は3人でその場所へ行くことになりました。


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着いたのはおばあちゃん家の北口にある納屋。時間にして5分ほど。子供の足で歩いてもたいした距離ではありません。ですが北口の方は少し急なカーブになっていて山もかなり険しいので、そのあたりへ来るとおばあちゃんちはまったく見えなくなり、景色が変わります。

なんというか‥‥世界が一変するんです。神聖な気持ちになるというか、動物や植物の呼吸が聞こえてきそうなぐらい不思議な感じというか。


話は戻しまして、叔父さんがひとだまを見た言っていたのは、墓地の上り口にある納屋のあたりということでした。その場に着いた私達(主に言い出しっぺのSちゃん)は、さっそくあたりを散策することにしました。


しばらくして、だいたいの場所を見回り終えたその時でした。

Sちゃんがある場所を指さしました。


「あのさ、ひとだまが出るのって向こうじゃない?」


彼女が指さしたのは、ちょうど自分ちの敷地内の向こう側。よそ様の敷地ではないので足を踏み入れることは可能です。でも毒を持つ大きな蛇がよく現れる道だったので、普段から注意を促されてはいました。


「あっちは―――‥‥


もちろん私達は向こう側に何があるのかは知っていますし、行ったことがないわけではありません。でもなぜかその時、私達は揃ってその場で固ってしまいました。


大人になった今だからこそ思うのですが、あれが俗にいうある一定時間にしか現れないパラレルワールド磁場が変わる、という事だったのかもしれません。そして私達は無意識のうちにその場の異常を感じ取ってしまった。(細かいことはワカランけど💦)


「もう帰ろうよ‥‥」


半泣き状態のYちゃん。そこではじめてSちゃんはこれ以上の進撃を断念。

最後に3人でおじいちゃんのお墓に手を合わせてその日は帰ることにしました。


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それから時が過ぎて十数年。父が病気で亡くなりました。

その時、そういえばという具合で母から聞いた話なのですが、昔田舎の屋敷の北口の納屋の近くにはいくつかの防空壕があったらしいのです。


それを聞いた時、私はちょっとだけ背筋が寒くなりました。いえ、もしそうなら私の先祖に関わることでもありますし、悪い思いはまったくありません。ただ意味が分かると怖い話に近いというか。火のないところに煙は立たぬ、という言葉の意味とか。


ひとだま、果たして叔父が見たものは防空壕に関係していたのでしょうか。

はたまた幼い頃私が感じた山の精霊的なものなのか―――。←?


ちなみにM叔父さんは父の妹の旦那さんで、私達と直接血のつながりはない親戚です。ただの怖がりなのか本当に何か感じるものがあるのか、田舎に来るといつも「早く家に帰ろう、早く家に帰ろう」と言ってはあれやこれやという間に親戚にお酒をすすめられ、結局帰れず宿泊させられるというなんだか憐れな状態でした。(やっぱりちょっとカワイソウ)


知らぬが仏、なのかもしれません。


さて、今回の記事はいかがだったでしょうか。

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ではまた、次回のブログでお会いしましょう!



 
 
 

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